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[ドラマで学ぶ]ブラックペアンでみるロボット・AIに対する感情

引き続き、人気ドラマでみる現在の世相シリーズです。今度は2018年4~7月期と最近のドラマである「ブラックペアン」を取り上げたいと思います。

ドラマ「ブラックペアン」の主人公渡海征司郎は、大学でえらくなるために必要な論文を書かないため、全然出世できず、一般医局員のままですが、手術の腕はものすごい外科医です。執刀医が手術に失敗したときには、その挽回を請け負うために、失敗した執刀医に辞表を出させて、退職金を巻き上げるということをやっている個性のあるキャラクターです。

原作は、海堂尊さんの「ブラックペアン1988」となっています。

2007年発売であるが、1988とあるように、1988年を意識した原作となっています。ただ、その原作の時代背景とは関係なく、ドラマでは手術支援ロボットなど、様々な最新のテクノロジーが出てきます。

ドラマの視聴率は初回13.7%から平行線をたどるものの、ラスト3回は16.6%、最終回は18.6%と、終盤にかけて伸びる傾向にあり、ドラマのおもしろさが口コミで広がったことがみてとれます。

医療の視点からはツッコミどころがいろいろあることはさておき、このドラマは何の世相を反映しているのでしょうか?

それは、決め台詞の一つである「最後は人」に表れていると思います。ドラマ中は手術ロボットや遠隔手術などの最先端のテクノロジーが出てきますが、お約束の展開として、失敗して、渡海先生が最後に、自分の手でうまく手術を挽回させます。

昨今、AIやらロボットやら、人の仕事が奪われていくというニュースがたくさん流れています。もちろん、すべての仕事がロボットやAIに取って代わられるわけではないですが、漠然とした将来の自分の職への不安が掻き立てられます。

その中で、ロボットやAIが失敗し、人の手でそれを挽回する。そんなストーリーをきくことで、その将来への不安を和らげることができます。それが、このブラックペアンの視聴率アップに寄与しているのではないでしょうか。


[医療AIニュース]アルファベットのDeepMindが50種類以上の眼科の疾患を検出

Googleの親会社であるアルファベットの傘下のDeepMindが、有名な学術雑誌「Nature Medicine」に、失明のおそれがある眼科疾患50種類以上を検出できるAI(人工知能)システムを開発したとの報告があります。こちらのCNETのニュース記事「DeepMindのAI、50件超の眼病を診断–医師に匹敵する94%の精度を達成」も参照ください。

共同研究先はロンドンにあるムーアフィールド眼科病院とのことです。DeepMindはイギリスのAIスタートアップなので、ロンドンで提携先を見つけているようですね。

眼科領域は専用のスキャンにて、検査を行うことが多いですが、画像解析はディープラーニングの得意分野であり、そこに目をつけて研究開発を進めたのはAI診断分野では定石的な動きですね。

日本でも日本眼科学会が、AIを活用した研究を進めており、今後の眼科領域でのAI活用の動向が気になるところです。

 


[人工知能サービス]メドピア調査による「人工知能が診療に参画する時代」 (医療✕AIニュース)

医療✕人工知能(AI):診療(メドピア調査)

[想定読者]人工知能が医療にどうかかわっていくか知りたい人

ニュースなどに取り上げられているメドピアの2015/06/18の「人工知能が診療に参画する時代は来るか」に関する調査結果を取り上げたいと思います。人工知能の記事は[文献レビュー]人工知能の大きな変化に対するマネジメントについて学ぶ「人工知能はビジネスをどう変えるか(DHBR2015/11)」(人工知能ビジネス読書感想)も参照してください。

「⼈⼯知能が診療に参画する時代は来ると思いますか?」の回答について、来る(10 年超 20 年以内)が33%、来る(5 年超 10 年以内)が23%、来る(20 年超 50 年以内)が16% という結果となりました。概ね5~20年ぐらいのスパンでくると医師は感じているようです。

このアンケートでの人工知能

このアンケートは人工知能の診療とは何かが特に定義されていません。ですので、回答者がいろいろなイメージで捉えて回答しているので、その分、ばらつきがあることが想定されます。ある人は完全に人工知能が診療で取って代わり、診療医は不要とかいう世界を想定したり、もっとライトな関わり方(診療支援とか)をイメージしている人もいると思います。

人工知能は診療をどう変えるのか

それはさておき、人工知能は診療をどう変えていくのでしょうか。まず、いきなり医師が要らなくなる世界はこないと思っています。車の自動運転も、いきなり車が全自動で動くようになるのではなく、まずはドライバーのサポートのための自動化から始まって、最終的に全自動を目指していくというステップをとっていきます。

おそらく仮に、診療へ人工知能が入っていくといっても、同じようなステップになると思います。まずは、医師の診療サポートから入っていくのだと思います。そこまで診療プロセスを私は詳しくわかっていませんが、もしかしたら、すでに一部人工知能も入っている部分があるのかもしれません。

そうなると、医師の置き換えではなく、医師の診断や診療サポートの新しい人工知能を活用したサービスが広がっていく気がします(すでに広がりつつあるのかも)。

診療でのコミュニケーションの重要性が高まるかも

普段ほとんど、病気とかで病院に行かないので、正直診療に疎いのですが、年末に病院に行く機会がありました。初めて行く病院で驚いたのが、検査結果の見方について、その場に患者(タカム)に見えるかたちでインターネットで診療ガイドラインを検索し、そのガイドラインをタカムに見せながら、あなたの値はこのところなので、◯◯ということになりますと説明されました。

診療における対患者さんとのコミュニケーションの重要性は、どんどん高まっているように思います。これは、患者さんがインターネットとかでよく調べるようになり、かなりの知識を持つので、診断の理屈もしっかり説明しないといけないからかもしれません。

昔は、この検査値ならこの薬ですね。この薬もついでに出しておきましょうとか言われて、何も疑問も持たずに薬を飲んでいました。これからはそういう時代から変わっていくように思います。

そうすると、人工知能がサポートすべきは、今後医師の負荷がよりかかる患者さんとのコミュニケーション支援の分野がニーズがあるかもしれません。


[健康サービス]ヘルスケアアプリNoomが人工知能だけでなく人のコーチも活用したプログラムを出す (デジタルヘルスニュース)

ヘルスケアアプリNoomのAIと専用コーチの新プログラム

[想定読者]ダイエット系ヘルスケアアプリビジネスの動向が気になる人

ヘルスケアアプリNoomを運営するNoom Japan株式会社が「世界4500万DLのヘルスケアアプリNoomが、AIと専門のコーチによる新プログラムをリリース」というプレスリリースを出しています。

人工知能とコーチングの新プログラムの内容

Noom Japanの新プログラムは、これまでの人工知能(AI)による行動学習システムだけではなく、オンライン上の専用コーチングによって、正しい生活習慣を身につけるための16週間のカリキュラムを提供します。さらに成果を重視するという内容になっています。

短期的なダイエットだけでなく、ずっと減量を続けていけることを目指しているようです。

いろいろな健康に関する知識を得たり、グループの仲間といっしょに取り組んだり、コーチと1対1のコミュニケーションで改善していったり、そういった機能があるようです。

専門家による1対1のコーチング

Noomのホームページをみると、韓国人、日本人、アメリカ人の専用コーチが紹介されています。美人がいっぱいいるなら自分もやるかも。

価格は月5000円のようです。コーチとどれぐらいのタイミングで、どういう方法で、どういうコミュニケーションがとれるか、全然書いてないので、どうなのかわかりません。結果にコミットとかしてくれるとうれしいのですけれど。

人工知能(AI)から人が介在するコーチングを加える

もともと人工知能によるアルゴリズムの行動学習システムを提供していたはずだと思うのですが、なぜ、人を介したカリキュラムに変更するのでしょうか。おそらく、その変更には、行動変容もしくはビジネスモデルとして、人工知能アルゴリズムによる指導の限界があるのではないかと思っています。

アプリは無料が当然という感覚が多くの人に身についてしまいました。そのような中で、人工知能によるコメントは課金するというのはなかなか難しいのかもしれません。コーチングを入れることで、課金をしてもよいかなという人を増やしているのかもしれません。

16週間という区切りも、おそらくそれぐらいならばできるか(自分はできないけど)と思わせるためなのでしょうか。さらに、必要なお金も2万円(?)と限定されて、払いやすくなる面もあるかもしれません。どうせならば、結果がでなければ、全額返金というサービスビジネスのお馴染みの戦法もとってくれるとよかった(他人事なので好き勝手言ってみる)。


[書評]人工知能があなたの生活にどう影響するのか?「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」(おすすめ人工知能本読書感想、小林雅一)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

[おすすめ読者]人工知能の最新の様々なトピックスを気軽に俯瞰したい方

人間の領域がどんどんコンピュータやAI、ロボットなどに侵されようとしています。将棋や囲碁のような伝統的ゲームはもとより、IBMのAIコンピュータ「ワトソン」が企業の経営判断や銀行コールセンター業務などに導入され、グーグルや世界の自動車メーカーはドライバーのいらない自動運転車の開発を急いでいます。

小林雅一さんは、KDDI総研のリサーチフェローとして、人工知能や自動運転などの領域について、わかりやすく説明されている方です。講談社の現代ビジネスITトレンド・セレクトという連載を行っています。

本書では、小林雅一さんが人工知能やディープラーニング、自動運転車の領域について、世界で何が起こっているかをわかりやすく説明しています。

自動運転車で問題となる制御権の移行期

小林雅一さんは、自動運転車の発展について、次のようにコメントしています。

要するに段階的、あるいは部分的に運転の制御権をヒトから機械(クルマ)に移行すると、往々にして制御権がどっちつかずの空白状態が生まれてしまいます。これが最も怖いのです。

自動運転車といってもいきなり、全自動で車が勝手に動く時代がくるのではなく、段階的に発展してきます。最初は人間の運転の一部を自動化するという方向で進み、最終的には全自動の時代にたどりつきます。

その移行期では、人間が運転を制御している時期から、人間も機械も制御しているという状態になり、その時、どちらがコントロールしているか、コントロールの責任があるか、曖昧な時期がきます。その時期が非常に重要な時期となります。

特に安全性が求められるような領域では、同様なことが起こっていくのではないかと私は思っています。例えば、医療の領域。手術ロボットも医師が制御するのか、ロボットが制御するのか。医療の場合は、全自動でも最終的に医師が責任を持つと思いますが、移行期は重要かもしれません。

ディープラーニングは問題を解決するために必要な「何かに気づく」

小林雅一さんは、現在ホットなキーワードとなっている「ディープラーニング」についても次のように述べています。。

たとえば現時点でディープラーニングの最大の長所は、「特徴量(特徴ベクトル)」と呼ばれる変数を人間から教わることなく、システム自身が自力で発見する能力にあると言われます。

(中略)

多くのAI専門家は口を揃えて、この点を絶賛しています。彼らの見方によれば、問題を解決するために必要な「何かに気づく」という能力こそ、これまでのAIに欠如していたものです。この限界を突破したことで、ディープラーニングはAIにおける永遠の難問とされてきた「フレーム問題」さえ解決する、との見方も出てきました。

ディープラーニングのすごいところは、特徴量と呼ばれるものを人間に教わることなく、自分で見つけ出せる能力です。これは人工知能分野の飛躍において、ずっとボトルネックになっていた問題です。

ディープラーニングが絶賛されるのはこの点です。すなわち、ディープラーニングは問題解決に必要な「何かに気づく」ことができるのです。

この能力を機械が獲得すると、どんどん自分で問題解決の方法を気づいていくことができます。これまでは、人間が問題と答えと解決の切り口を与えていかなければなりませんでしたが、それが必要でなくなります。

ディープラーニングが人工知能の飛躍につながると言われる理由はここからきます。

 本書で感じたこと

人工知能が社会に与える影響をよく考えてみる必要を感じます。いきなり、未来のような世界に到達するのではなく、必ず過渡期が存在します。その時に、何が起こるのか、何か新しいチャンスがあるのか、何か社会的課題が起こるのか、何か人間の認識に影響を与えるのか。そこらへんを考えていくことが、未来予測につながるのではないかと思います。


AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

著者:小林 雅一
出版社:講談社
発売日:2015/3/19
人工知能、ディープラーニング、ビッグデータ

<目次>
第1章 最新AIの驚異的実力と人類滅亡の危惧―機械学習の光と陰(機械学習とは何か;グーグルvs.フェイスブックvs.百度 ほか)
第2章 脳科学とコンピュータの融合から何が生まれるのか―AIの技術と歴史(機械学習の基礎:線形・ロジスティック回帰分析;現代AIの正体 ほか)
第3章 日本の全産業がグーグルに支配される日―2045年「日本衰退」の危機(アシモフや手塚治虫が描いた次世代ロボットへ;なぜ今、「ロボット・ルネッサンス」なのか ほか)
第4章 人間の存在価値が問われる時代―将棋電王戦と「インダストリー4・0」(将棋電王戦が示唆するもの;将棋ソフトの飛躍的進化を促した機械学習 ほか)
著者紹介
小林雅一[コバヤシマサカズ]
1963年群馬県生まれ。KDDI総研リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭をとった後、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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