「 新規事業 」一覧

[本]生活者視点で新規事業を今一度考える「機会発見――生活者起点で市場をつくる」

新規事業の種をどうやってみつけてくればよいのか。新規事業担当者が日々ため息をつきながら、思い悩んでいることだと思います。特にB2Cでは、生活者の課題。そこに新規事業のシーズが潜んでいる。そう思っている方も多いと思います。

日々、B2Cでの新規事業創出を目指している方、生活者分析を起点として、新しいビジネスを考えて行きたい方、既存製品をこれまでにない新しいインサイトをもとに、変えていきたい方。そんな方に読んでほしい本です。

この本の作者である岩嵜さんは10年近くに渡って、これまでにない新しい製品やサービス、事業を作るにはどうしたらよいかを考え続けた方です。それを考え、実践して、また考えを続けて、編み出されたのがこの本です。岩嵜さんの経験に裏打ちされた内容となっています。

機会発見には3つのアプローチが重要だと言われています。

「MECE]ではなく、「枠外の視点」を探索する
「定量情報」ではなく、「定性情報」を収集する
「分析」ではなく、「統合」する

アタマが良い人、分析が得意な人は、新しい問題を見つけた時には、とかくMECEで考えようとします。既存製品の延長を考えていく場合は、それでもよいのですが、新しい事業、これまでの枠にはまらない事業を考える場合は、それではだめです。枠外の視点。それが重要となってきます。

また、これまで既存製品のマーケティングに関わってきた人はとかく、定量情報に着目します。訂正情報は所詮は限られたNによるもので、必ずしも十分な情報とは言えません。そこで、定性的に受容性を評価することにいきがちです。しかしながら、そもそも新しいものの重要性はなかなか限られたアンケート調査ではわかりません。そこで、新規事業ではデプスインタビューなど、訂正情報が重要となります。

また、いくら現実の情報を頑張って分析しても、行き着く先はありきたりの結論。いろんな会社がやっている事業にいきつくだけです。それよりも、よくあるアイデアだとしても、それらを組み合わせて、統合して、新しいアイデアを見つけていくことのほうが重要です。

ぜひ、新規事業のやり方で悩まれている方は、一度手にとって読んでみると、これまで学んだことを整理しつつ、新しい発見がある本です。


[経営本読書感想]新規事業を作るということはどういうことか「真経営学読本」福島正伸

[対象読者]新規事業を志、経営とは何かを学びたい人

大学卒業後、様々なビジネスを立ち上げ、その後、アントレプレナーセンターを立ち上げた福島さんの集大成と成るような本「真経営学読本」を読んで、印象に残った点をとりあげます。今日は新規事業を作るということはどういうことかを考える一節を取り上げます。

既存のマーケットでがんばることと、新しい事業を立ち上げることの違いを下記のように、福島さんは述べています。

それは「何のために」その事業をするのかということです。もし「業績をあげるため」だとしたら、既存のマーケットのほうがいいでしょう。しかし、「より良い社会をつくるため」とか「困っている人の役に立つため」と言うのなら、新しいマーケットに挑戦してもいいのではないかと思います。私は、マーケットより優先するものを「使命」と呼んでいます。

通常は今あるマーケットで戦っている方が業績を上げる可能性が高いです。それは、すでにマーケットがあるとわかっているし、それを強化したり、コストダウンする方が業績はよくなる可能性が高いです。

一方で、新しい事業を立ち上げるということは、本当にマーケットがあるか、事業を通して初めて確認することになります。よって、想定と異なりうまくいかないケースがほとんどとなります。

それでも新規事業に取り組むのは、福島さんがおっしゃる通り、「より良い社会をつくるため」とか「困っている人の役に立つため」というような「使命」を持っている時だけです。儲かろう思うならば、既存のマーケットでがんばった方がよいからです。

そう考えずに、既存マーケットの収益が落ちたとか、事業ライフサイクルが落ち目であるとか儲けようという発想で新規事業をはじめると失敗します。

新規事業とは、社会のためになることを、失敗を恐れず挑戦するということを意味しているのです。

 

 

真経営学読本
福島 正伸

目次
学生時代
失敗の連続
三つのポリシー
世界中の起業家との出会い
真経営用語辞典の誕生
最幸の結果が出るようにしか考えない
人間学としての経営学
企業
最高の商品
権限〔ほか〕
著者紹介
福島正伸[フクシママサノブ]
アントレプレナーセンター代表取締役。1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、さまざまな事業に挑戦し、1988年株式会社就職予備校(現・アントレプレナーセンター)を設立。代表取締役に就任。通産省産業構造審議会委員をはじめ、数々の委員を歴任。自立創造型相互支援社会を目指し、自立型人材の育成、組織の活性化、新規事業立ち上げ、地域活性化などの支援を続けている。これまで、二五年以上にわたって、日本を代表する大手企業、ビジネススクール、全国の地方自治体などで、のべ三〇万人以上に研修、講演を行う


[健康サービス]健康サービスの新規事業に取り組む際に規制をチェックする「グレーゾーン解消制度」(行政規制紹介)

健康・ヘルスケア・ウェルネスという分野は極めて曖昧模糊です。医療の分野は、例えば、薬剤開発だったら、フェーズIとか、いろいろなルールがきちんと決められています。しかしながら、健康になると、規制があるやらないやら、専門家でも悩むところです。

そこで、健康サービスとして新しい試みをする前に行うのが、「グレーゾーン解消制度及び企業実証特例制度の活用」です。これは、経産省に限らず、厚労省でも、どの省庁でも受け付けてくれます。ただ、産業振興は経産省の仕事なので、経産省の動きが活発に見えます。

グレーゾーン解消制度とは、企業が、今の規制の適用範囲がよくわからない状況でも、事業計画が実施できるか、省庁に確認できる制度です。

一方で、企業実証特例制度は、新規事業を行う時に、規制の特例措置を提案し、おそらくモデルケースとして、規制緩和して実施してみることを認める制度です。

すべてはアベノミクスの規制緩和の動きによって、始められた行政の新しい動きです。2014年の頭からはじめられており、もう結構な数が各制度の適用を受けており、内容が公表されています。

健康サービスの新しい取り組みをする時は一度検討していた方がよいかもしれません。


[書評]社内の新規事業担当者必携「はじめての社内起業」(新事業創出本読書感想)

自分のミッションの1つである新規事業の1つとして、社内起業という興味をそそるタイトルを本屋で見つけたため、キーワード買い。新しい事業を生み出していくための何かヒントがないかと思い、熟読してみました。



はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
著者:石川明
出版社:U-CAN
発売日:2015/7/24
新規事業、社内企業


著者である石川さんは、新規事業の代名詞であるリクルートで、新規事業開発を長く担当してきたまさに社内起業のプロです。ここでは、会社から独立して起業する「独立起業」ではなく、企業の中で新たな事業を生み出す「社内企業」に特化した内容です。これまで、私も新規事業に携わってきましたが、会社の中で前例が全くないことをやっていくため、本当に何をやればよいのか、雲をつかむ感覚でした。そんな中で、どうやって新しい事業を生み出していけばよいのでしょうか。

まずはじめに着想の段階として、リクルートの考え方である「不」の解消を述べています。

不平、不満、不幸、不便、不良、不遇、深い、不足、不自由の解消することが事業の本質

顧客がもつ「不」を理解する前に、例えば、こんな技術があるから、顧客は喜ぶだろう、こんな新しい発想・サービスがあるから、顧客は買ってくれるだろうという思い込みを廃し、この事業が解消する「不」はいったい何かを突き詰めていくことが重要だと私も考えています。そのためには、なぜそれが生じるのか、掘り下げていくことが重要だと石川さんは述べています。

ただ、単純に解消していくだけでなく、以下で石川さんが述べていくように、変化に対応していくことが大切です。時代はどんどん変わっていき、顧客の「不」も変わっていきます。

「不」が前提としている社会背景が今後どのように変わっていく可能性があるかにも、目を向けなくてはなりません

コラムで「かっこいい大風呂敷と地味な一歩」というものがあり、まさにその通りだと思いました。これまで私が新規事業に携わってきた経験からすると、新規事業というなんとなくかっこいい響きや、壮大な夢・プランを出していると、とても華やかな印象がありますが、実際の実施は地味なことを一歩一歩やっていくことだと思います。昔、私がとあるシリコンバレーの大手企業の人に言われたことに、「イノベーションとは、シーソーの上がっている側に砂粒を1粒1粒のせていくことだ。全くまわりの人は何をやっているかわからないが、ある日シーソーが逆側に倒れ、そこでみんながそのことの偉大さに気づく」という話であった。イノベーションも新規事業も本当に地道なことの積み重ねだなと再認識しました。

白川さんが他から持ち込まれた企画の話として、下記の内容を述べていることも印象的です。

外から持ち込まれた話がうまくいく可能性はかなり低い。なぜなら、顧客視点が見落とされている事業案であることが多いから

確かに、なかなか外からの内容はうまくいかないのが実感です。新規事業というのは、考えて考えて考えぬいて、やっと本当のプランができるものである。他の人が自分の事業について、そこまで考えぬいて作るのが難しいことが原因ではないかと思っている。とかく、他社とのアライアンスは、各社の強みの観点から考えすぎで、顧客というものが抜けていたりするのが注意点である。

また、うまくいっている事業には、実行するうえでのポイントとして、下記のように述べています。

他社に勝っている事業には、実行する上でどこかに「汗をかている」ぽんとがあるもの

このようなプロセスを経て、新しい事業を作っていくことが大切である。

 

本書で感じたこと

今回は特に社内起業に限らず、新規事業に役立つポイントを中心の内容になりましたが、本書の部分として、いかに経営者を説得していくかが、社内起業で大きなポイントとなります。結局、社内起業は独立起業ではないので、経営者の心を悟って、うまく上の力を(もちろん、下や横の力も)使って大きくしていくことが求められていることを再認識しました。



はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
著者:石川明
出版社:U-CAN
発売日:2015/7/24
新規事業、社内企業

<目次>
会社員だからこそできる「起業」がある
新規事業の基礎知識
新規事業担当者に求められるマインド
新規事業の担当になったらまずすべきこと
新規事業をつくり出す(どこへ「最初の一歩」を踏み出すか―検討範囲に当たりをつける;見つけた領域に勝機はあるか―ビジネスチャンスを探す;「アイデア」から「プラン」へ―事業のしくみを考える;「プラン」から「計画」に―事業企画書をまとめる)
事業企画書を社内でいかに通すか
プロ・識者が語る社内起業家の条件



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