[書評]社内の新規事業担当者必携「はじめての社内起業」(新事業創出本読書感想)

自分のミッションの1つである新規事業の1つとして、社内起業という興味をそそるタイトルを本屋で見つけたため、キーワード買い。新しい事業を生み出していくための何かヒントがないかと思い、熟読してみました。



はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
著者:石川明
出版社:U-CAN
発売日:2015/7/24
新規事業、社内企業


著者である石川さんは、新規事業の代名詞であるリクルートで、新規事業開発を長く担当してきたまさに社内起業のプロです。ここでは、会社から独立して起業する「独立起業」ではなく、企業の中で新たな事業を生み出す「社内企業」に特化した内容です。これまで、私も新規事業に携わってきましたが、会社の中で前例が全くないことをやっていくため、本当に何をやればよいのか、雲をつかむ感覚でした。そんな中で、どうやって新しい事業を生み出していけばよいのでしょうか。

まずはじめに着想の段階として、リクルートの考え方である「不」の解消を述べています。

不平、不満、不幸、不便、不良、不遇、深い、不足、不自由の解消することが事業の本質

顧客がもつ「不」を理解する前に、例えば、こんな技術があるから、顧客は喜ぶだろう、こんな新しい発想・サービスがあるから、顧客は買ってくれるだろうという思い込みを廃し、この事業が解消する「不」はいったい何かを突き詰めていくことが重要だと私も考えています。そのためには、なぜそれが生じるのか、掘り下げていくことが重要だと石川さんは述べています。

ただ、単純に解消していくだけでなく、以下で石川さんが述べていくように、変化に対応していくことが大切です。時代はどんどん変わっていき、顧客の「不」も変わっていきます。

「不」が前提としている社会背景が今後どのように変わっていく可能性があるかにも、目を向けなくてはなりません

コラムで「かっこいい大風呂敷と地味な一歩」というものがあり、まさにその通りだと思いました。これまで私が新規事業に携わってきた経験からすると、新規事業というなんとなくかっこいい響きや、壮大な夢・プランを出していると、とても華やかな印象がありますが、実際の実施は地味なことを一歩一歩やっていくことだと思います。昔、私がとあるシリコンバレーの大手企業の人に言われたことに、「イノベーションとは、シーソーの上がっている側に砂粒を1粒1粒のせていくことだ。全くまわりの人は何をやっているかわからないが、ある日シーソーが逆側に倒れ、そこでみんながそのことの偉大さに気づく」という話であった。イノベーションも新規事業も本当に地道なことの積み重ねだなと再認識しました。

白川さんが他から持ち込まれた企画の話として、下記の内容を述べていることも印象的です。

外から持ち込まれた話がうまくいく可能性はかなり低い。なぜなら、顧客視点が見落とされている事業案であることが多いから

確かに、なかなか外からの内容はうまくいかないのが実感です。新規事業というのは、考えて考えて考えぬいて、やっと本当のプランができるものである。他の人が自分の事業について、そこまで考えぬいて作るのが難しいことが原因ではないかと思っている。とかく、他社とのアライアンスは、各社の強みの観点から考えすぎで、顧客というものが抜けていたりするのが注意点である。

また、うまくいっている事業には、実行するうえでのポイントとして、下記のように述べています。

他社に勝っている事業には、実行する上でどこかに「汗をかている」ぽんとがあるもの

このようなプロセスを経て、新しい事業を作っていくことが大切である。

本書で感じたこと

今回は特に社内起業に限らず、新規事業に役立つポイントを中心の内容になりましたが、本書の部分として、いかに経営者を説得していくかが、社内起業で大きなポイントとなります。結局、社内起業は独立起業ではないので、経営者の心を悟って、うまく上の力を(もちろん、下や横の力も)使って大きくしていくことが求められていることを再認識しました。



はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ
著者:石川明
出版社:U-CAN
発売日:2015/7/24
新規事業、社内企業

<目次>
会社員だからこそできる「起業」がある
新規事業の基礎知識
新規事業担当者に求められるマインド
新規事業の担当になったらまずすべきこと
新規事業をつくり出す(どこへ「最初の一歩」を踏み出すか―検討範囲に当たりをつける;見つけた領域に勝機はあるか―ビジネスチャンスを探す;「アイデア」から「プラン」へ―事業のしくみを考える;「プラン」から「計画」に―事業企画書をまとめる)
事業企画書を社内でいかに通すか
プロ・識者が語る社内起業家の条件


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